中国、IMF債券を最大4兆9000億円購入
中国国営の新華社は5日、中国政府が外貨準備を使って国際通貨基金(IMF)の発行する債券を最大500億ドル(約4兆9000億円)購入すると伝えた。債券はIMFの準備資産であるSDR(特別引き出し権)建てになる見通し。IMF債の購入を通じて、ドルに偏った外貨準備の運用を多様化する狙いもあるとみられる。
金融危機で途上国支援の資金が足りなくなっているIMFは、先月27日に創設以来初めて債券を発行すると発表した。既にロシアが最大100億ドル分を購入する考えを表明。中国はロシアに続く購入表明となる。
SDRはドル、ユーロ、円、英ポンドの4通貨で構成する合成通貨単位。IMFが金やドルなどを補完する2次的な準備資産として1969年に創設した。中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は3月、SDRをドルに代わる基軸通貨に育てる構想を発表。ドルの信認が揺らぐ中で、にわかに注目を集めている。(北京=高橋哲史) (20:22)
日経のこのニュース。アメリカのブルームバーグとロイターでは、まだ報道されてみないだけど、時間差なのか、隠蔽なのか。それとも中国国営の新華社の信頼性が無いのか。。
とりあえず、これは非常に大きなニュースだと思う。
今週はGMが潰れたのにも関わらず、ドルとの為替レートも94円近くから98円近くになり、S&P500やDOWなどは好調で金融危機も底打ちか?なんていわれてるけど、下記のS&P500の一株当たりの平均収益の推移を見れば分かると思うけど、最近の株式市場の動きは全くファンダメンタルズに基づいてない。
ちなみに、ドルと株の好調に反して、アメリカの長期国債の価格は下がってきている。
長期国債価格が下がれば国債の利率はあがる。
そうなると、下の図の様にどんどんと負の連鎖が出てくる。
FRBが国債を買って金利を低くしようとしているが、
これはドルの価値の低下、インフレの要因になる。
要するにアメリカは、どっちのシナリオにしろ今後、こういう負の連鎖が起こる。この負の連鎖を支えてるのは、アメリカのドルや国債を支えている日本とか中国とかアジア諸国な訳だ。
そんな時に、アメリカの長期国債を買い続けてきた中国がIMFの国債を買い始めた。
日本や中国など外貨準備(ドル)を多く抱える国は、
アメリカの財政政策によってリスクを抱えてる。
アメリカの様に金をばら撒いていると通貨自体の価値が下がるので
外貨準備の価値も下がるからだ。
中国政府が外貨準備を使ってIMFの国債を購入という事は、ドルの低落に対してのリスクヘッジになる。ドルのリスクをIMFに押し付ける事が出来るし、IMFがドルを保有する事になるので為替市場にも影響は出ないし、中国にとっては良いことずくめだ。
これから、ロシア、台湾、日本、韓国が
この中国の行動を見てどう対応していくのか?
各国でドルの保有を減らす動きが加速する起爆剤になるのでは?と思わせる記事だった。
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