金融研究: 2009/04   

2009年4月30日木曜日

アメリカ政府の09年の予算編成

前々回位の記事で、アートとビジネスの関わりについて書いた。


ま、要約すると、
「機能性だけじゃなくて、人の購買力を決定するのには
良いデザイン、コピー、写真、質感などが重要だよー」って話。

そんな話のすごい良い具体例があったので紹介したいと思う。
今回紹介したいのは、デザインとジャーナリズムが融合した例。

最近、アメリカでは、このデザインジャーナリズムが流行っている気がする。


例えば、これ。アメリカ政府の09年の予算編成をマインドマップで纏めてるのね。


アメリカ政府の09年の予算編成

でも、このマインドマップは色んな工夫が凝らしてあるので、よーく見てみると楽しいよ。

アメリカ政府の全ての部署が円になってる。
この円の大きさでどれだけの予算を貰ってるかが一目瞭然。

そして円の枠の外には、その部署内でどの様に予算が使われているのか、そしてその予算は前年度と比べて何%UPしているのかが分かる。
例えば、Department of Army ならブラックホークのヘリコプターに$1.69billion つぎ込んで前年比16%とかね。

他にも大きな枠の外には、国債$10.150Trillion 前年比8%って書いてある。


この情報の載せ方は革命的だと思う。

文章での情報っていうのは、一つの切り口しか乗せられない。

例えば、「アメリカの納税者は救済プログラムで9.7兆ドル(970兆円)
のリスクを負うっていう記事があった。」という情報があったとして、これが何の役に立つ?
この事実だけ伝えられても比べる要素が無いと何も意味ない。

でも、このイメージで得られる事は非常に多いよね。

1、国家予算はどの様に使われているのか。円の大きさでどの部署に重点を置いてるのか一発で分かる。
2、前年度と比べてどこに使われているのか。時間軸も入れられる。
  -軍の予算が8%と増なので何か有事に備えている可能性が高い。
  -特に陸軍用の兵器、勧誘、トレーニングへの予算が高い。
  -エネルギーの予算も増えている。
  -石油の備蓄の予算が83%増えてる。
  -フュージョンエネルギーも70%超と高い。
3、予算がどの様に負担されているのかも人目で分かる。
4、分からない言葉があれば絵や写真で判断できる


他にももっともっとあると思うんだけど、5分見てみただけでも、たった一枚のページでかなり情報が入ってくる。


これに似たイメージで、コモディティーの需要供給の相関図とか欲しいな。コーン、石油、魚、肉、各種金属、の需要供給が各国で毎年どの様に増えているのか。
それを今回のアメリカ政府の予算のイメージの様にしたら、情報収集の効率が非常にUPするね。そのコモディティーの図の中に実際のコーンの絵とか書いてくれれば
小学生でも何言ってるかわかる。小学生でも世の中の流れ、お金の流れが分かる。それを年度後にまとめてくれたら、一発で流れが分かるよ。




今、日本の新聞社は収入が下がってるらしいけど、こういう事を取り入れて新聞の一面に載せる、そしてそれを年度毎に纏めてイヤーブックみたいのを売っていけば、
情報の付加価値が上がって売り上げを増やす要因が増えるんじゃないのかな。


活字離れの人には、こういうイメージで状況を伝える事が最も良いはず。
活字離れの人の気持ちも分かるんだ。新聞に書いてある事は断片的でほとんど自分の人生に関わらないから、ニュースの実感も分からないし
自分の生活と何ら関係の無い出来事の様に感じるからね。でもこういう絵とイメージを一面に出して行ったらどうだろう?
一発で自分の税金がどの用に使われてて、国の財政がそういう状態にあるのか分かればどう感じるだろう?
きっとちょっとは異なる結果になるんじゃないかな。

ネットで情報が氾濫しているよね。新聞に書いてある事や、雑誌に書いてある記事の多くはネットで手に入る様になった。
でも、実はその情報ってあんまり役に立たない事のが多いよ。目的も無く、整理されていない情報っていうのは価値が無い。
情報は目的があって整理されて見やすくなって初めてその情報の付加価値が付くもんだと思う。例えば四季報とか良い例だよね。金融の情報とかは本当に情報整理が必要。

僕自身の観点から言えば、一般投資家向けの情報はアメリカでもまだまだ全然整理されてない。ヤフーファイナンスとかグーグルファイナンスとか言っても
自分の欲しい情報や、図、グラフっていうのは見つからないんだ。例えば、ある会社のPERとEPSの歴史的な相関関係を見たいと思って探してみても、全然無い。
コモディティーのファンダメンタル(世界での需要と供給)を見たいと思っても無い。結局ネットじゃ見れなくてコモディティー年表みたいのを一万円で買った位だからね。
情報の提供者が情報の価値、ニーズを分かっていない事。まだまだあるはず。ニッチな目的でデータマニアにそういう年表を売るべきだよ。



ジャーナリズムは活字だけじゃなくて、一目で分かるデザインを取り入れていければ未来があるんじゃないのかな。
「活字離れ」と世間のせいにするんじゃなくて、3秒で世界が分かる、小学生でも理解できるって思わせるイメージを作っていって欲しい。


もっともっと、デザインとジャーナリズムの融合できると良いね。



ちなみに他にもこういう例もあった。

中国とアメリカを色んな面で比較しているイメージ


経済刺激策の影響でどの州で雇用が増えたのか。




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2009年4月29日水曜日

 アメリカの金融救済額合計

今年の2月にブルームバーグで
アメリカの納税者は救済プログラムで9.7兆ドル(970兆円)のリスクを負うっていう記事があった。


アメリカの納税者は救済プログラムで9.7兆ドル(970兆円)のリスクを負う


Troubled Asset Relief Program での700億ドル(7兆円)の予算があるというのはわかったけど、
この2月のブルームバーグのニュースみたいに9.7兆ドル(970兆円)とか、そういう単位の話って出てこなかったんだよね。今回の救済計画でどれだけの合計予算が組まれているのか、今までに合計でどれだけの支出があるのか、全然明確じゃなかったし。そう思ったのって僕だけ??アメリカではこの報道ブルームバーグでしか見なかった気がするんだけど、日本では報道されてるのかな?


とにかく、メジャーなニュースではこの数字見てないから、ゴシップなのかなと思った。

今日、初めて9.7兆ドルの意味が分かった!CNN moneyで発見したこの表。

TARPの他にもFederal Reserve Rescue Effortsとか
Federal Stimulus Programとか
FDIC Bank Takeoverとか
色々とある訳だ。それプラス
Fannie MaeとFreddie Macの救済がある。

これを全部足すと、全部で9.7兆ドル(970兆円)の予算っていう説明がつく。


ちなみに表の中の
COMMITEDは法案化された予算。
INVESTEDは既に投資されてる予算。

 アメリカの金融救済額合計


この表を見てみると、予算は約1050兆円、すでに投下された予算は約270兆円との事だ。

予算が$10.5Trillion (1050兆円)で、$2.7(270兆円)は配布済み。

下のグラフは、連邦銀行のサイトにあった前年比で何%のお金が供給されてるかってグラフ。2008年にグラフが直角に右肩上がりなのが見える。この灰色のパートが以前に起こった景気後退を起こしてる時期だ。1920年からのデータなので、1930年代の恐慌のデータも入っているはずだが、前年度に比べてこんなにドル供給されるっていう前例が無い。


アメリカ金融、ドル供給



ここまで通貨供給されるって事は、何かしらのインパクトが無いといけない。貨幣インフレが起こると言われているけど実際の所どうなのか。直感的な話だと、通貨を印刷して不良資産の対処、非効率な企業を援助する訳だから、このドルの価値っていうのを著しく下げるはず。ドルの信用を売って対処をしているって事なんだから。さらに、救済していく企業はAIG、GM、Fannie Mae, Freddie Mac, Citi Group, と赤字を出している企業。こういう赤字を出してる非効率的なところにお金を投資していくっていうのは間違っている気がする。企業は黒字を出す効率性があってこそ、雇用を排出し、税金を生み、社会の役に立てるんだから、何も生み出さない非効率で将来性の無い企業は潰すべきでは無いのか。また、国が事業を作って雇用を創出するって感覚も良く分からない。効率的な事業はそんなに簡単に創出できるものなんか?それなら、既存の効率的な企業に対して低利子での融資を増やして既存の企業の強化、間接的な雇用の創出を目指すべきなんじゃないかと思う。


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2009年4月27日月曜日

社会企業家:山口恵理子さん。

最近、友人から社会企業家:山口さんの動画を教えてもらった。

マザーハウス代表山口絵理子さん。

慶応大学を卒業した後に、アメリカでインターンをして、
より現場を見たいと思って、日本帰国後にバングラディッシュに向かい
そのまま現地の大学院に入学、そしてバングラディッシュの特産品である繊維に目をつけ、
自分でデザインしたバングラディシュさんのバッグを作成し、日本で販売しているそうだ。


山口絵理子さんの動画はこちらから


僕は、社会企業家と聞くと無条件に尊敬してしまう。

なぜなら、彼らの動機って「貧しい国の人たち」を助けたいって気持ちを第一に考えて、
ビジネスをしてるんだものね。

それって本当にすごい事だと思うんだ。

僕も英語の学校に行ってた時は、「貧しい人とか助けれる様な事したい!」なんて
思ってたけど、自分が年を取って、自分の見得、同世代の人の状況、社会的責任、とかを考え始めたら
ととてもそんな風には考えられないし、行動も出来なかったな。

自分の将来も不透明な状態で、他の人に貢献したいという気持ちだけで、わざわざ危険な国に行きたいとも思えないんだよね。


山口さんの口調とか、目を見てると自分のやっている事が正しいていう自信に満ち溢れているんだよね。
こういう状態に僕も早くなりたいなと思う。人に対して正しい事をやっているという自信、自分のビジネスがしっかりと利益を出して成長している自信。

もちろん、悩んだりする事や、不安もあると思うけど、そういう自信があると迷い無く突き進める気がするね。



あ、そういえば、ライブドアのブログがあまりにみすぼらしかったので
ブロガーにしました。僕は宣伝とか大嫌いでシンプルなのが良いから、こっちのが良いね。
少しは、アートを大切にしないとね。笑


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2009年4月26日日曜日

デザインがビジネスのUSPになる?

最近日本からの友人がNYに来てくれて、
大量にお土産を貰った。


長浜ラーメン長浜ラーメン

白い恋人



ようかん



後、めんたいこ。




別にNYでも日本の商品は沢山売ってるし、そんなに日本食に飢えてる訳でも無いんだけど、
普段、ここまで日本の高級なお土産に触れないせいか、非常に感動した。
彼女と涙を流しながら食べました。笑 まさとさん、ありがとう。


まずは、ちょっと見てよ。
このヨウカンのパッケージ。


高級感がでる箱の重厚さ。
そして、一つ一つ丁寧に梱包されてるから、こっちまで大事に食べようという気になる。
どうやって食べるか迷わせないシンプルな説明。
そして、食べやすいし、食べてる間も手が汚れない。
食べでもその味にまた、感動。笑

とらや 小形羊羹14本入



次は、おなじみ白い恋人。

ヨーロッパの南アルプスを思わせる。
丁寧にシールを剥がして蓋を開けてみると、そこには、
白い恋人が何で白い恋人と呼ばれているかのストーリーが書いてある。


賞味期限の回収して、そのまま出しても食べたいよ!笑

博多の長浜ラーメン。

うまそうなラーメンの写真に、シンプルなコピー。

「コシのある細面と、
三日間かけて仕上げた
豊かなコクの
とんこつスープ。」

触った瞬間に箱が念入りに頑丈に作られているのが分かるし、コーティング加工されているせいか手触りもいい。
重厚感とラーメンの写真のせいで、箱の中には麺とスープの元、生姜位しか入ってないのに、新鮮なネギとかチャーシュー
とかも入っている様に錯覚してしまう。


もちろん、アメリカでもこういう風に丁寧にパッケージングされている商品は、あるよ。
Tiffany Channel,Apple とかね。

でも、日本の商品って言うのは、全商品と言っても良いほど、完全に綺麗なパッケージングされてる。
100円位のお菓子から、高級品まで。

写真も魅力的だし、
箱の手触り、
箱の重さ、
商品を惹き出すコピー、
手に取ってみたくなる商品名。



世界での企業の競争の中で、
機能性で競争して機能性では差別化は難しい事が分かった、
金額で競争して金額での差別化は難し事が分かった。

そうなると、最後はデザインで勝負をするしかない。

日本は世界の中でもこの「デザイン」が非常に強いと思う。

そして、このデザインという部分は中々他の国が、瞬間的に真似できる物では無いと思うんだよね。

これは僕の持論だけど、芸術とかデザインセンスってのは、家族とか社会を
通じて代々少しづつ、継承されて積み上げて行く物だと思うんだ。

そして、この「社会的芸術性」っていうのは、国自体がある程度長い期間、豊かで余裕が無いと
育たない。明日の食い物を心配する様な状況にある場合、芸術とか言ってられないし、
戦争とかが多い場合は、芸術とかより、金とか銀とか小さくて絶対的な価値のある物に集中するはずだよね。

日本は第二次世界大戦とか昭和時代には色々な混乱に巻き込まれてきたけれど、
江戸時代の300年、明治、大正と比較的、本島の住民は平和に暮らし、芸術を大切にしてきたはず。

それがこのデザインの競争力を生んでいると思う。

デザイン性で有名な他の国もそういう歴史を持っていると思う。


デザインや、ファッションと言えば、イタリアも有名だ。
フェラーリ、ランボルギーニ、グッチ、ブルガリ、プラダ、アルマーニ、
フェラガモ。。。
芸術でも、オペラとか音楽では、有名だよね。

彼らの歴史は僕は全く詳しく無いから、平和じゃないのか、違うのか、何も言えないけれど、
写真で見る限り、コロセウムや、ベネチアの町並みとかを見る限り、大昔の建物が綺麗に残っているから、
比較的、平和だったはずだ。

こういう歴史が、芸術性を作りだして、社会の一人一人の人に染み着いて、商品やサービスとなって
現れてくるんだ。

ちょっと、海外に行った人なら、わかると思うんだけど、日本のコンビニと世界中のデリとじゃぁ比べものにならない。
日本人の服装の平均的おしゃれ度も、他の国の平均水準から行ったら相当に高いよね。

また、世間の目を気にする国民性だから、そのセンスの社会的標準ってのがグングン上がる。

これは世界の中でも稀だよ。


会社の中の一人が、デザインのセンスを持っていても始まらない。商品を作るには、
産業用デザイナー、コピーライター、写真家、マーケティング部、商品開発部、最終的な判断をする人、などなど色々な人間が加わって最終的に商品が出来る。

それぞれが、デザインのセンスを持っているから、最終的に最高のパッケージングが生まれるんだ。
これは、国全体、社会全体にそういうセンスが浸透していないと、まず出来ない。


非常に抽象的な話だが、デザインを競争の要因としていく事を経営者が理解する事が重要だとおもう。
日本にいると当たり前だから分からないが、世界ではこれが強い競争力になるはず。

僕の英会話教材も、パッケージデザインには奇抜な
デザイン、パッケージングを採用するつもりだ。
まだ全然、出来上がってないんだけどね。笑

そして、アートについて語ってるくせに、ブログが、読みにくくてダサいとか考えないように。笑


ちなみに、今日話したことは、
似た様なことが、ダニエルピンクの A whole New Mind って本に書いてある。
日本では大前研一さんが訳しているみたい。

デザイン、コピーラィティングの重要性を説いて、それらの感性を研ぎ澄ますには、
どんな本を読んで、どんな美術館に行けば良いのかが書いてある。







ちなみに英語版はとても読みやすい。なぜかというと、セクション毎にメッセージが明確だし、サマリー、本を読んだ後にやるべき事とかがリスト化してあるから。
中級レベルなら良い英語の練習になると思う。気になったら、読んでみて。


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ソロスが語るアメリカの金融危機の原因。

最近読んだのは、有名な元ヘッジファンドマネージャー、ジョージソロスの「ソロスは警告する 超バブルの崩壊」





ざっくり言うと、この本の中では、下記の様な事が書いてあった。

ソロスの生い立ち
ソロスの投資哲学の生まれるきっかけ。
ソロスの投資哲学「再帰性」についての説明。
今回の金融危機の原因、
これからどうなるの?


彼の主張で一番おもしろいなと思ったのは、今の金融業界、経済学では、市場の動きを捉えるのにに再帰性の概念が考慮にいれられていないのが金融危機の原因という彼の主張。


再帰性って何よ?って感じですよね。

再帰性って言うのは、

相場が動いた結果が人々の思考に影響を与えて、それが彼らに行動を起こさせて、その結果がさらにまた市場の参加者の思考に影響を与えて最終的な市場の行動につながるって事。

難しいですよね。。。

もっと噛み砕いて言うと、

株の値段が上がってるのを見て、「もっと上がるかも」と思って買う人がいる事で、さらに株の需要が高まって値段があがり、それを見た人が、「もっと上がるかも」と思ってまたさらに株の値段があがってバブルを作りだす事。

一言で言うと、、、

需要が増えて、値段が上がって、その反応でさらに需要が増えるって事。


近所のラーメン屋を例に言うと、、、

店の前に行列ができるラーメン屋に、「この店美味いかも?」と思って並んじゃう人がいて、その人たちを見て「この店美味いかも?」と思ってさらなる行列が出来てしまう感じです。

分かります?笑

もちろん、再帰性にはその逆の意味も込められてます。

大量に人が株を売りだして、売り出すと株価が下がって、それを見た人が釣られてさらに株価が下がる。




非常に納得の行く説明ですよね。

ところが、そういった相場の再帰性を考慮に入れていない経済学、金融学がこの業界のスタンダードになり、金融工学、ポートフォリオ理論、効率的市場理論などを生み出し、それが最終的にリスクの不明瞭な金融商品を作りだし、規制緩和、高リバレッジ、短期の利益を追い求める風潮が油に火をそそぎ、今回の金融破たんの原因になった。と彼は言っているんですね。


じゃぁ、なんで経済学や、金融学にこの理論は入っていないの?という議論になると思うんですが、再帰性の概論を経済学や、金融学に入れてしまうと、数式で明確に表す事ができなくなってしまい、経済学者とかの仕事や今までに作られてきた数式が役になってしまうかららしいんですよね。笑 そして、経済学の教授や、権威のある人は物理学者とか数学者とかにジェラシーを感じてしまう。笑 (ここらへんはアバウトな解釈。ソロスが言ってた様な気もするし、言ってない様な気もする。)

それもそうですよね。5人並んでるラーメン屋の行列を100人の人が見て、どれだけの人が反応して、行列がX人増えて、さらにそれを見た人の反応率がY%で。。。ってそんな物、数式にできませんよね。


別に彼のメインの議論では無いかもしれませんが、このバブルの原因の一つに金融業界に関わる人達のバックグラウンド(学問)に原因があると言及してる点が僕には新鮮でした。ソロスの本を読んでいると、裸の王様を裸だと見破った少年の話を読んでる気になります。



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2009年4月25日土曜日

オバマ大統領の欺瞞

アメリカのブログとか記事とかで紹介されてて
日本で紹介されてない事多い気がするんですよね。
おもしろい事は、どんどん共有しないとと思います。

今日はオバマ大統領に関する動画。

黒人初の大統領という事で僕の住んでる町でも大人気です。
レストランに行けばオバマの写真が飾ってあるし、
街を歩けばオバマのTシャツが毎日売ってる。


嫌われていたブッシュ大統領と比べちゃ悪いですが、本当に人気が高い!

そんな大人気のオバマ大統領。ネットの世界では、
彼に対しての批判的なビデオが流行っています。


Obama The deception
オバマ大統領の欺瞞


http://video.google.com/videoplay?docid=7535755025025800195


最初の1時間はオバマについて。最後の1時間はアメリカの陰謀説についてです。

要約すると、下記の様な感じですね。

オバマ大統領は選挙の前に公約していた事と大統領になってからの行動、発言が全く違うという指摘です。

例がいくつかあるですが、このビデオの中では、下記の3つでしょうか。



選挙中の主張:
自由貿易に対して否定的、NAFTAに対してフェアなトレードをするように求めると主張。

選挙中の私的コメント:
各企業のTOPに対して、選挙中のリップサービスだよと言っていた事が発覚。



選挙中の主張:
イラクから16週間で撤退すると発言。

選挙後の対応:
300000人の軍隊をアフガンに派遣する事に。
ビデオの中では、証拠がたくさん出てくるが、今検索してみると17000人となってる。




選挙中の主張:
政府が一般人の盗聴を可能にする法律には反対。

選挙後の対応:
アメリカ政府が一般人の盗聴を可能にする法律を支持し、法案に対して投票


その他:
アフガニスタンにて拘束された人達の人権を保障しないと主張


3番目の「政府が一般人の盗聴を可能にする法律」なんて金融危機で大騒ぎであまりメディアには取り上げられてませんでした。僕もそうなんだー位にしか思いませんでしたけど、結構批判をあびそうなトピックですよね。


他にもオバマ大統領が選挙中にゴールドマンサックスや他の金融機関からの多額の献金を受けているので今回の金融機関救済というのも出来レース、陰謀だったのでは無いかという仮説もありました。

オバマ大統領の献金者
(この献金は企業からの直接の献金で無く、企業の有力者などを通じての献金だそうだ。)

(参照元)
Open Secrets.org





ちなみにこの映画は、オバマ大統領批判というよりも、
政府を動かす位の力を持っている金融機関などに向けられています。

この映画の中で、Federal Reserve Bank (連邦銀行)について言及してる。

連邦銀行は、「連邦」と名前がついているだけの民間の企業である。
連邦銀行は1913年のFederal Reserve Actから設立され、
その民間企業がアメリカの紙幣を発行する権利を持っている。
そして、連邦銀行は監査される事はなく、一部金融機関のカルテルであるという指摘がある。

これはアメリカの政治家Ron Paul の兄弟が言及してたんだけども、
このソースがあれば知りたい。かなり各所で言われてる事なんだけれども、なかなか決定的なのが無い。探すのもメンドクサイ。



ま、とりあえず、僕の結論としては、

カリスマ性があって人気があるリーダー。
実はこれこそ一番危ないのではないかと思う。

あんまり人々はカリスマ性がある人が実際に何をしているかは見ない。
ただただ、付いていきたいと思ってしまうんだよね。


また、大統領以前にアメリカの民主主義は結局の所、
ある一部の金持ちによるビジネスの道具
であって、
政治というのはプロレスと変わらない物なのかなと感じます。



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2009年4月24日金曜日

シティグループが何故黒字なのか?

四半期にシティグループが黒字を報告し、
ゴールドマンも1800億円の黒字を報告。


アメリカの金融業界もこれを気に持ち直すのかなーなんて思ってたら
そうでもなさそうだ。


ちょっと気になったので調べてみた所、
クルーグマン教授のブログがでてきた。

今回はクレジット ディフォルト スワップって言葉が大量に出てくる。

クレジット ディフォルト スワップの分かりやすい説明はこちらなので分からない方は見て。




題名:金融の国のアリス。


So the accounting rules say that a decline in the market value of a bank’s debt thanks to increased credit default swap spreads
― that is, because investors think you’re more likely to fail ―
counts as a a profit. On the other hand, if your bank looks stronger, the spreads fall, and you book a loss.


会計のルールによると、クレディット ディフォルト スワップ スプレッドの拡大のおかげで、銀行の負債が市場で少なめに評価される。つまり投資家が、あなたが事業で失敗していると考えると、それがあなたの利益として評価されるのだ。一方、もしあなたの銀行が成功しているように見えると、クレディット ディフォルト スワップスプレッドは縮小し財務諸表上での価値も下がる。



黒字のシティーグループと、赤字のモルガンスタンレーの財務諸表を
比べてみると下記の様に書いてある。




このシティグループのアニュアルレポートの7ページ目。


A net $2.5 billion positive CVA on derivative positions, excluding monolines, mainly due to the widening of Citi’s CDS spreads

注:CVA はcredit value adjustmentsの略。CVAは取引先企業の信用リスクの市場価値を表すそうだ。


シティグループ のCDSのスプレッドが拡大しているので、デリバティブのポジションが$25億のプラス。


CDSのおかげで業績が悪いシティーグループは、会計上の評価額が良くなり、今期の収益が高い。



モルガンスタンレーのアニュアルレポートはこちら。


3ページ目上から4行目。

In fact, Morgan Stanley would have been profitable this quarter
if not for the dramatic improvement in our credit spreads
- which is a significant positive development, but had a near-term negative impact on our revenues.

実際、モルガンスタンレーは今期は利益があがっているけど、クレジットスプレッドが急激な改善をみせた。長期的にはプラスの展開だが、短期的に収益にマイナスの影響がある。


CDSのおかげで業績が良いモルガンスタンレーは、会計上の評価額が悪くなり、今期の収益がマイナスに。





なんてこっちゃ、分かりにくい。業績が悪くて破産に近いほど、会計上の評価額が上がるって言うのが意味がわからない。これじゃぁ、素人にはわかんないよね。




ちなみに">日本のCDSに関してはこちら。


見た感じ、アイフル、西松建設以外は峠は越えた感じか。



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