ソロスが語るアメリカの金融危機の原因。 | 金融研究   

2009年4月26日日曜日

ソロスが語るアメリカの金融危機の原因。

最近読んだのは、有名な元ヘッジファンドマネージャー、ジョージソロスの「ソロスは警告する 超バブルの崩壊」





ざっくり言うと、この本の中では、下記の様な事が書いてあった。

ソロスの生い立ち
ソロスの投資哲学の生まれるきっかけ。
ソロスの投資哲学「再帰性」についての説明。
今回の金融危機の原因、
これからどうなるの?


彼の主張で一番おもしろいなと思ったのは、今の金融業界、経済学では、市場の動きを捉えるのにに再帰性の概念が考慮にいれられていないのが金融危機の原因という彼の主張。


再帰性って何よ?って感じですよね。

再帰性って言うのは、

相場が動いた結果が人々の思考に影響を与えて、それが彼らに行動を起こさせて、その結果がさらにまた市場の参加者の思考に影響を与えて最終的な市場の行動につながるって事。

難しいですよね。。。

もっと噛み砕いて言うと、

株の値段が上がってるのを見て、「もっと上がるかも」と思って買う人がいる事で、さらに株の需要が高まって値段があがり、それを見た人が、「もっと上がるかも」と思ってまたさらに株の値段があがってバブルを作りだす事。

一言で言うと、、、

需要が増えて、値段が上がって、その反応でさらに需要が増えるって事。


近所のラーメン屋を例に言うと、、、

店の前に行列ができるラーメン屋に、「この店美味いかも?」と思って並んじゃう人がいて、その人たちを見て「この店美味いかも?」と思ってさらなる行列が出来てしまう感じです。

分かります?笑

もちろん、再帰性にはその逆の意味も込められてます。

大量に人が株を売りだして、売り出すと株価が下がって、それを見た人が釣られてさらに株価が下がる。




非常に納得の行く説明ですよね。

ところが、そういった相場の再帰性を考慮に入れていない経済学、金融学がこの業界のスタンダードになり、金融工学、ポートフォリオ理論、効率的市場理論などを生み出し、それが最終的にリスクの不明瞭な金融商品を作りだし、規制緩和、高リバレッジ、短期の利益を追い求める風潮が油に火をそそぎ、今回の金融破たんの原因になった。と彼は言っているんですね。


じゃぁ、なんで経済学や、金融学にこの理論は入っていないの?という議論になると思うんですが、再帰性の概論を経済学や、金融学に入れてしまうと、数式で明確に表す事ができなくなってしまい、経済学者とかの仕事や今までに作られてきた数式が役になってしまうかららしいんですよね。笑 そして、経済学の教授や、権威のある人は物理学者とか数学者とかにジェラシーを感じてしまう。笑 (ここらへんはアバウトな解釈。ソロスが言ってた様な気もするし、言ってない様な気もする。)

それもそうですよね。5人並んでるラーメン屋の行列を100人の人が見て、どれだけの人が反応して、行列がX人増えて、さらにそれを見た人の反応率がY%で。。。ってそんな物、数式にできませんよね。


別に彼のメインの議論では無いかもしれませんが、このバブルの原因の一つに金融業界に関わる人達のバックグラウンド(学問)に原因があると言及してる点が僕には新鮮でした。ソロスの本を読んでいると、裸の王様を裸だと見破った少年の話を読んでる気になります。



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