色んな金融の記事とか読んでて一番混乱した点がこれから米ドルがインフレになるの?デフレになるの?って議論。
結論を突き詰めた記事が無くて参った。もしくは書いてあったとしても複雑すぎて意味が分からない。
前回の金融救済額合計の記事で書いたとおり、アメリカ政府は700億ドルのTARPの他にも色々と救済を行う予定であり、連邦銀行は今までに2兆ドルの資金を供給してきた。
この間も書いてたけど、僕は貨幣インフレ(物価上昇)になると予想。
フィッシャーの交換方程式とか、色々とあるみたいだけど単純化すると、
物価は、「貨幣の流通量÷商品、サービスの合計数」で決まるはず。
そうなると、貨幣の流通量が増えれば、必然的に物価は上昇する。
商品とサービスの量が一定で、貨幣流通量が増えれば貨幣の価値が下がり商品とサービスの値段が上がる。
それが物価上昇。
2兆ドル(200兆円)が供給されるって事は、その分の貨幣の価値が下がるって事。だからインフレが懸念されている。
ただ、2兆ドルがどれ位のスピードで市場に分布していくかは分からない。政府が2兆ドルを発行しても市場に出回らない限り、物価は影響は受けない。
という事で、インフレの影響がはっきりと分かるまではタイムラグがあるはずだ。
貨幣インフレというのは後々の話になる。
デフレはどういう事なのか?
デフレは、物価が下がる事。
物価が下がる原因は、資金の供給量が減るか、商品+サービスの合計数が増えるしかない。
物価=資金の供給量÷(商品、サービスの合計数。)
1、商品+サービスの合計数は増える要因は?
誰も住んでいない新築の住宅が次々と壊されていく様子、破産していくお店の数などなど、とても商品+サービスの合計数が増えている様には感じない。むしろ減っているはず。データは見てない。
2、資金の供給量は減った。
不動産バブルは弾け、10月以降S&Pなどの株価も暴落。
去年の夏の原油高は$130から$45近くまで下がった。
コモディティの価格も暴落。
原油の価値が下がれば、ガソリン代、輸送費も下がる訳だし、物価は安くなる。
そうなると、この今の現状がデフレに当て嵌る。「物が安くなるんなら良いんじゃない?ガソリンも安いし助かるよ。」って思うんだけど、デフレにはデフレスパイラルという現象があって、それが大きな問題になる。
銀行の資金繰りが苦しくなる=> 今までお金を借りて回ってる企業がお金を借りられなくなる。=> 失業者が増える、給料が減る、支出を削る方向に動く=> その周りのビジネスも影響を受け始める。=> 銀行へのローンが返済できなかったりする=> 企業の資金繰りが苦しくなっても助けてもらえない。
この問題は今現実に起きている問題であって、アメリカの政府はこのデフレスパイラルの状態を避けるために市場に資金を供給している訳だ。
という事で、デフレスパイラルになりつつある今の状態を回避するための対策がインフレを起こすきっかけになっているという事なのではないか。
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