キャリートレードは低金利の通貨で資金を調達し、高金利の通貨を運用する事。
最近までのキャリートレードの傾向は、金利のずば抜けて低い円で資金調達し、それをドルに換えてアメリカの国債などの高金利な金融商品で運用していったり、NZドル、オーストラリアドルなどの高金利通貨で運用しリターンを得ていた。
それが今回の金融危機の崩壊で、一気に高金利通貨からの引き上げが起こり、
円は高金利通貨に対して、円高になった。
この間の高金利通貨のリスクでも書いたけれど、 図で表すと下記の様になる。
金融危機前:
(為替レート↑+金利↑) ⇒ (投機的資金↓>貿易赤字↓) ⇒ 為替レート↑ ⇒ (投機的資金↓>貿易赤字↓)
金融危機後:
(貿易赤字↓ + 利払い金↑)> 投機的資金↓ ⇒ 為替レート↓ ⇒ (投機的資金↑ + 貿易赤字↓ + 利払い金↑) ⇒ 為替レート↓↓
この式の中の投機的資金というのが、キャリートレードの資金にあたる。このキャリートレードは、為替版のCDSの様な物で、ファンダメンタルの傾向とは逆の動きを相場に作りあげる原因になっていた。
貿易赤字で毎年借金が増え続けるけど金利の高い国の為替レートは高くなり
日本の様に貿易黒字の国でも金利が低ければ為替レートは低くなる。
リスクのある所に需要が高まるという特性のせいで、一度風向きが変わって高金利通貨の為替レートが下がってしまうと、大暴落をしてしまう。
それじゃぁ、暴落後の今後はキャリートレードは為替相場にどういう影響を及ぼすのか?って思ってたら、丁度記事になってた。
アメリカの金融危機後のキャリートレードトレンド
アメリカの金融危機後に、ドル、ユーロ、ポンドと主要各国の通貨が軒並み低金利になり、昨年の様に円とスイスのフランだけがキャリートレードのターゲットになっていたという状況が、これからは色々な通貨に分散されていくらしい。
つまり、金利の低いユーロ、円、ドルで借り入れ、金利の高いコモディティー産出国の通貨
(ブラジルのレアル、NZドル、ハンガリー、インドネシア、南アフリカランド)を保有する事がトレンドになっているそうだ。
政策金利一覧:
日本0.1%
ユーロ1%
ドル0.25%
ポンド0.5%
カナダ 0.25%
そうなると、これからはキャリートレードの影響で円安になるという様な単純な結果にはならなそうだ。
特に貿易黒字でファンダメンタル面では、アメリカ、イギリスよりは悪くは無く、
今回の金融危機でも円の信用は高い。
円高傾向にある円でのキャリートレードよりも、ドル、ポンドでのキャリートレードが盛んになりさらなるドル安、ポンド安を招くのでは無いかな。
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