今回調べたデータ:
今回調べなかった点:
貿易国ランキング
JETROより
残念ながら、最も貿易収支に影響を与えているアメリカはこれから大きな消費は期待できない。中国に関しては大きな消費を抱えるとはいえ、中国のみの貿易収支は大赤字。これからも輸出よりも輸入の方が多いと思う。そうなると、ヨーロッパ、香港、韓国、台湾だけで貿易黒字を支えていく事になり。短期では相手の貿易国だけを見ると日本の貿易黒字は減少すると見るのが妥当だと思う。
輸入品ランキング
JETROより
原油と、鉱石、穀物、魚と肉など、高沸すると思われる商品が多い。これから輸入品コストの高沸は避けられない。
輸出品ランキング
JETROより
自動車関連の輸出品が30%弱でとても大きな割合を占めてる。GM、クライスラーの破綻などもあり、燃費の良い日本の自動車はこれからもヨーロッパ、北米、中国などで徐々に増えていくと思う。日本の輸出品は非常に幅広く分散されているのでそこまで急激に下がる事は無さそう。
経常収支の推移
貿易に関する展望
上記のIMFの展望は楽観的すぎる様に感じる。日本の全輸出量の18%を占めるアメリカが日本の貿易黒字を支えてる。しかし、アメリカはこれ以上対外債務を拡大する事はできない。2009年の5月27日時点で長期国債の需要が減少し、連邦銀行が長期国債を買い支えている事を見ればあきらかであり、借金ができなくなれば国家予算の不足を補う方法は、ドル供給以外に無い。そうなると、円高ドル安は避けられない。円高ドル安、アメリカ経済の後退、輸入コストの高沸(5年~10年) この3つを踏まえると今後5年の範囲で貿易黒字は赤字化すると思われる。
政策金利の推移
外為コム
日本は言うまでも無く、超低金利。ただ、今までの様に低金利だからキャリートレードの対象になりどんどん円安が加速するかと言えばそうでも無いと思う。なぜなら、今まで高金利で外貨を呼び込み国内の景気を刺激してきたイギリス、ユーロ、アメリカが日本と同程度の低金利になっているから。逆に現在では、今まで貿易黒字なのに円安だった日本円への「キャリートレードの巻き戻し」が起こり円高が続いている。今まで高金利だった通貨(アイスランド、ニュージーランド、トルコ、アメリカ、イギリス)よりも日本のファンダメンタルの方が若干強いので円高傾向は続くと思われる。実際、日本よりもファンダメンタルが弱い低金利(アメリカドル、ポンド)の通貨を対象にキャリートレードが行われ始めている。
対外債務ランキング
参照元
対外債務は諸外国に対する借金、自国の国債をどれだけ外国に売りつけてるか。対外債務ランキング1位アメリカの国債は、中国と日本が最も多く保有している。日本は世界で9位。(日本の国債の利回りが低い事が他の国に受け入れられないが、高利回りが実現すれば、これから海外に国債を売りつけれる可能性が残る。)
日本の国内の債務
参照元
国内の債務という事は、日本の国債を日本国内に売っているという事。国内の債務と対外債務のどちらが悪いのかと考えると、対外債務は国債の金利が高いからこそ成り立っているのであり、国債が増えれば増えるほどさらなる財政の負担になる。対外債務がずば抜けて高いイギリスやアメリカよりはマシとは言えるけど、ハイパーインフレが起きてるジンバブエよりも酷い状態なので危険な状態である事に変わりは無い。
国債および借入金並びに政府保証債務現在高の推移
この様に見るとアメリカやイギリスなどと違い、日本の国債及び借入金の増加額は2004年をピークに減少傾向にある。ただ、ベイビーブーマー世代がリタイヤしたこれから年金問題が悪化し日本の財政を圧迫する。特に第二次ベイビーブーマーのリタイヤする2030年から、この年金問題は急激に悪化する。
国債保有者リスト
財務省資料より
国債の保有者を見てみると、郵貯、預金金融機関、中央銀行、民間保険、証券会社が多い。金利が低い国債を買い抱えるのは、国内の金融機関、そして個人。国内の金融機関の体力と国民の貯蓄率が日本の国債の肝となるが、実際の所どういう状態なのか。
2009年5月時点で、日本郵政、ゆうちょ銀行は黒字であり体力はありそうだ。預金金融機関(三菱UFJファイナンシャルグループ、りそなホールディング、新生銀行、あおぞら銀行、三井住友ファイナンシャルグループ)は赤字。証券会社(野村ホールディングは赤字、大和証券)は赤字。保険会社(東京海上ホールディング、三井住友海上グループホールディング)は黒字となっている。一時的な赤字で何故赤字かを追及していないので細かい決断を下す事はできないが、全体的に見て、預金金融機関、証券会社は買い支える事は厳しそうだが、郵貯と保険業界は買い進める事ができそうだ。
こういった金融機関も日本国債を金融商品として個人に対して売っているので、最終的に国債を支えているのは日本の貯蓄率だと考えられる。
日本の貯蓄率
低金利の影響もあり、日本の貯蓄率は近年下がってきている。比較的利回りの良い海外投資は増えているという情報もあるので、今後貯蓄を頼りにした国内債務の増加は期待できない。今後、国内に債務を押し付けるやり方は通用しないと思われる。このやり方は、もって2,3年では無いかと思う。
人口ピラミッド 年齢別人口構成データ(2000年)
日本のバブル、今回のアメリカ金融危機を予想したハリー・S・デント・ジュニアの統計によると個人消費が最も伸びるのが一軒家を買い、車を持ち、子供の学費を払う43歳の時。そして46歳の人口が多い時に、国の経済はピークを迎える。日本はどうなのか?
日本統計局より
2009年現在、9年後に51歳から55歳だったの第一次ベイビーブーマーが丁度リタイアしはじめる時期になる。彼らが41歳から45歳の時(1980年代後半から1990年)はバブルが起きた。 日本はまだ第二のベイビーブーマー(2000年当時、26歳から29歳だった人が現在は35歳から38歳になっている。)がいてこの世代が、46歳になるのは今から8年から11年後の2017年から2020年。ハリーデントの理論によると、この時期に消費のピークが迎えるはずだ。おそらく輸出に頼らない企業はこの時期(2017年から2020年)までは伸びるのだろう。
日本経済の動向まとめ。
1、 円高ドル安(1-3年)、アメリカ経済の後退(1-3年)、輸入コストの高沸(5年~10年) この3つを踏まえると今後5年の範囲で貿易黒字は無くなると考えられる。
2、 キャリートレードの対象の変更。今まで高金利だった通貨(ユーロ、アメリカ、イギリス)が低金利に。そうなるとアメリカ、イギリスよりも、日本のファンダメンタルの方が若干強いのでキャリートレードの対象はそういった通貨になり、円高傾向は続くと思われる。
3、 対外債務に関しては日本は問題が無い。
4、 国内債務に関しては日本は最悪の状態。国債および借入金並びに政府保証債務現在高の増加率は減少しているものの、年金を考慮にいれると非常に悲観的にならざるを得ない。貯蓄率も低下しているために今後、国内に債務を押し付けるやり方は通用しないと思われる。このやり方は、もって2,3年、その後は高利回りで対外債務を増やしていく方向性では無いかと思う。
5、 人口構成の観点から言えば、日本の国内需要に頼る企業に関しては2017年から2020年までは延びると思われる。例:通信業界、携帯業界。
この他にも原油、穀物、肉、魚、鉄などは価格が上がり続ける事を考えると、特定の飲食産業は、スタバの様に農家との直接取引をしない限り市場によって左右されるので厳しい状態になる。2017-20年以降、コモディティ価格の上昇、国内需要の低下、増加する国内の債務、高齢化による年金支出の増加の問題が顕著に現れるので、長期的に見て、日本経済は暗い。ただ、短期的には国内需要に頼る企業の好感の持てるニュースや、中国などアジアの高成長のせいでアジアに資金が集まるので、2017年-20年までは今のアメリカの様に実際に侵食していく問題を隠しつつ(?)株式市場は伸びていくのではないか。これから2-3年、為替のレートは、ドル円に関してはアメリカの今後の金融危機の悪化(貨幣インフレ)によって円高が続くはずである。ポンド円に関しても同じ。ユーロ円に関しては分からない。ただ他のコモディティー通貨(カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ブラジル)に対しては現状(2009年5月)と比べて円安になると思う。日本は中国に並んで最大のアメリカ国債保有者であり、アメリカは日本が保有する米国債をドルを発行する事での返済(貨幣インフレ)するため、他のアメリカ国債を保有していない国にとっては円はリスクがあるので円は売られ円安になるはずだ。ただ、今現在の予測だと2020年位を境に景気は急速に後退し、確実に借金がコントロール不能に陥ると思われる。日本経済、日本円がどうなるのかは、今回のアメリカ危機のアメリカドルの行方を見て考える。
「金融研究ブログトップはこちらから」
11 件のコメント:
統計は過去のまとめ、これからの動向は企業や個人の行動にかかっていると思います。
それを支援するのが国の施策と考えれば、国内消費市場の大きさと、
海外市場へ供給出来る能力(輸出)の2つをみれば、おおよその
日本の経済を俯瞰することができますね。
それから、高齢者が保有する、寝ている資金、資産を有効に
動かすこと、
今までの逆の発想で、収入が少なく、資産のない若い層へ逆年金
みたいな仕組みを考えた方が、日本経済は刺激されると勝手に考えています。
kojiさん
コメントありがとうございます。
とても抽象的な話になってしまいますが、私は日本のこれからの動向は、企業や個人がどう行動しようともあまり変わらないと思います。労働国内消費市場が減少し、高い労働賃金で、高い法人税では、企業は逆に日本にとどまる理由、世界の企業が日本に進出する理由が何も無いからです。
国が資産を運用するという年金もコンセプト事態が間違いであり、崩壊するのは目に見えている金融商品だと私は思っています。おそらく年金の崩壊で無く、通貨の崩壊という形で高い代償を払う事になるのでは無いでしょうか。
>ハリー・S・デント・ジュニアの統計では43歳の時に人生で一番お金を使う人が多い
要素が
1、一軒家を買う
2、車を買う
3、学費を払う
という事だけれど、1、に対して、
a,住宅の供給過剰による資産価値の低下
b,持ち家志向減少、賃貸派増加
2、に対して、
c,車保有率の減少(c1,公共交通機関の発達 c2,都市部への人口移動)
3、に対して、
d,未婚率の増加
他には、今35~38歳の層は就職氷河期の走りで、非正規社員の支出能力を半分と見積もって差引いたら?
とか思いました。 ノーソース、ノー根拠でございますから、ここら辺も今後ヒマなときに解き明かしてくれたらうれしいな、なんて思った次第であります。
永野さん、
そうだね。時代背景とかで理論は変わるかもしれないね。
でも日本は金持ちの人数は増えたって聞いた気もしないでもないけど。解き明かすのは。。。どこかでそんな情報を見かけたらね~。
大変勉強になりました。
日本経済の今後について分かりやすく書かれており、
大学の授業の参考にさせていただきました。
ありがとうございます!!^^
また訪問させていただきます。
匿名さん、
コメントありがとうございます。
参考になったようで良かったです。
ぜひぜひまた訪問してください!^^
Thanks for sharing such a pleasant opinion, post
is pleasant, thats why i have read it fully
Also visit my weblog: at online casinos
Have you ever considered about adding a little bit more
than just your articles? I mean, what you say is important and
all. But just imagine if you added some great pictures or videos to give your posts
more, "pop"! Your content is excellent but with images and
clips, this website could certainly be one of the best in its
field. Fantastic blog!
Feel free to surf to my homepage - how to find a job online
I аll the time emаiled this weblog pоst
page tο аll my contactѕ, аs
if like to reaԁ it next mу links will too.
my blog poѕt - High Stakes Bonus
Gеnerally I dο nοt learn post on
blοgs, however Ӏ wish to sаy
that this write-up verу forceԁ me to chеck out anԁ do іt!
Youг writing taste has been аmazed me.
Thаnk уou, very great artіcle.
Feel frеe to viѕit mу web-site - AmericаѕCагdRoοm Offer ()
I think this is one оf thе most νital informatіon for me.
And i'm glad reading your article. But should remark on few general things, The web site style is ideal, the articles is really great : D. Good job, cheers
Here is my website ... WebRead ()
コメントを投稿